ウエディングを挙げることの意味〜増加する理由を紐解く〜

ウエディングを挙げることの意味〜増加する理由を紐解く〜

ウエディングの現状

結婚式の実施率

 最近の調査によれば、結婚式を挙げる人は依然として多いものの、その実施率はわずかに減少していることが判明しました。具体的には、2022年から2023年にかけて結婚をした20から49歳の男女を対象にした調査で、結婚式を実施した割合が45.3%であり、前年比で0.7ポイント減少しています。特に20代の結婚式実施率は33.9%と他の年代に比べて低く、30代と40代はそれぞれ51.2%と50.7%で、より高い実施率を示しています。このデータから、年齢が上がるにつれて結婚式を挙げる傾向が強まることがうかがえます。

フォトウエディングの増加

 結婚式の代わりにフォトウエディングを選ぶカップルも増えてきています。特に20代の若者の間でフォトウエディングの人気が高まっており、その実施率は12.7%となっています。フォトウエディングは結婚式の一部を写真として記録に残すことで、大規模なイベントを行うことなく、特別な瞬間を形にできる利点があります。また、フォトウエディングの平均撮影価格が22万円であることから、経済的な負担が少ない点も支持される理由の一つです。このように、ウエディングのあり方が多様化し、記録と記憶を大切にする新しいスタイルが注目を集めています。

結婚式を挙げる理由

自分らしさの表現

 近年、ウエディングを挙げる人は増えているという傾向が見られます。その理由の一つとして、自分らしさの表現が挙げられます。特に働く若者の間では、結婚式を通じて自分たちらしさを表現したいという欲求が高まっています。「自分たちらしくしたい」と考えるカップルは約40%に上り、多くの人がカジュアルな雰囲気を希望しています。実際、人前式のような形式も人気を集めており、20代では33.5%の人々が選んでいます。こうした動向は、単なる結婚の儀式を超え、人生の一大イベントとしての結婚式をより個性的で意味のあるものにしたいという思いの表れと言えるでしょう。

家族や親戚からのプレッシャー

 結婚式を挙げる理由として、家族や親戚からのプレッシャーも重要な要素です。特に、日本の伝統的な文化においては、結婚式は親族が一堂に会する機会であり、家族の絆を確認する場となります。家族にとっても一つの節目となるこの機会を重要視し、結婚式を挙げることが良しとされる風潮があります。また、親世代からの期待や社会的な慣習も影響し、結婚式を挙げることが当然と感じる人も少なくありません。このように結婚式は、個人の意志だけでなく、家族や周囲の意見も考慮した結果として行われることが少なくないのです。

結婚式を挙げない選択

ナシ婚の理由

 近年、結婚式を挙げない「ナシ婚」を選ぶカップルが増えています。その要因として、経済的負担を避けたいという声が特に大きいです。経済的理由に関連して、お金を他のことに使いたいと考えるカップルが多いことも挙げられます。具体的には、「他のことにお金をかけたかった」という理由が結婚式を挙げない理由として、約40.6%を占めています。また、20代においては「呼びたい人がいなかった」が前年比より増加しており、この世代の価値観やライフスタイルの変化が結婚式を挙げない選択に影響を与えていると考えられます。

経済的要因と価値観の変化

 経済的な要因が大きく結婚式を挙げない選択に影響している背景には、結婚式費用の増加があります。平均結婚式費用は320.5万円となっており、この負担に対して慎重になるカップルが多いのです。また、若い世代の中には、自分自身のライフスタイルに合わせた選択を重視する傾向があり、ウエディングよりも他の体験や貯蓄を優先する価値観の変化が見られます。この価値観の変化は、フォトウェディングなどの新しいスタイルの促進にもつながり、ウエディングを挙げる人は増えているものの、その形式やスタイルは多様化していることがわかります。

ブライダル業界の動向

少人数化と新スタイルの出現

 近年、ウエディングにおいて少人数化の傾向が強まっています。株式会社マイナビの調査によると、結婚式の招待人数の平均は前年比で減少しており、多くのカップルが規模を縮小した形での挙式を選んでいます。これに伴い、より個性的で自分たちらしいスタイルを追求するカップルが増えており、柔軟なプランを提供する結婚式場が人気を集めています。

 特にフォトウエディングの増加が顕著で、挙式と写真撮影をセットにして記念を残したいというカップルに支持されています。フォトウエディングは日常的な景色や自分たちの好きな場所を背景に選ぶことができ、自分らしさを表現する場になるため、多くの若いカップルに選ばれている理由といえるでしょう。

コロナ禍の影響

 新型コロナウイルスの影響も少人数化や新しいウエディングスタイルの出現に大きく寄与しています。感染拡大に伴う不安から、大勢の人を招くことに対する慎重な考え方が強まり、厳選した招待客のみを迎える形へシフトしています。オンラインの招待状やリモート参加が増加するなど、デジタル技術を活用した新たなサービスも浸透しつつあります。

 また、コロナ禍での安全対策を重視するカップルが増えたことにより、結婚式場側も柔軟な対応を求められるようになりました。このような状況下でも、ウエディングを挙げる人は増えているという調査結果もあり、結婚式のスタイルは時代に合わせて変わり続けています。